うちの飼い犬はいつも穏やかで、落ち着いた犬でした。すごく温和なのか、子供にいたずらされても、素知らぬ顔をしていられるようなどしっと構えた犬なのです。

おかげで大型犬とは思えないほど、子供たちに人気がありました。

いつもはこのようにすごく穏やかな犬なのです。しかし、この犬は一つだけ目の色を変えるときがありました。それがご飯のときなのです。

目の前にご飯を出すと、うちの犬は目の色を変えて必死に食べます。うちはドックフードではなく、普通のおかずみたいなのをあげていたのですが、エサ箱をペットの前に置くとものすごい勢いで食べ始めるのです。

別に私が餌をやり忘れていつも空腹にさせていたわけではありません。むしろおやつもあげていて、どちらかというあげすぎくらいご飯を与えていました。

それなのにエサの入れ物を目の前にすると、すごい勢いで突っ込んできて、必死にエサを食べるのです。その姿はいつみてもすごかったです。顔が怖かったですからね。

そんな犬との忘れられない思い出は、ちょっと冗談で待てを引き延ばしていたせいで、かみつかれそうになったことでした。

ちょっと冗談のつもりで、長く「待て」をしていたんですね。

食い意地が張っているので、どうにか我慢させることを覚えさせたかったというのもあります。そしたらいきなり「があっ」とペットに手を噛まれそうになり、慌てました。

それ以来、エサをやるときはいじわるせず、なるべくちょっかいをかけないようになりました。